どうも、つみき(@321tsumiki)です。
投資は確実に身近になってきています。投資系のインフルエンサーなどが投資の必要性を考えて解説しているブログや動画、書籍などが世間を賑わせています。今は、その中でも特に節約と投資によるFIREがトレンドになっています。
投資を始めるにあたっては、インデックス投資の投資対象として投資信託やETFを選択する人もたくさんいます。最近では手数料の安い投資信託やETFも増えてきており、今までよりも始めやすくなっていると思います。
そして、インデックス投資を勧める人たちの多くは「アクティブファンドのほとんどは長期的にみるとインデックスファンド以下の成績しかあげられないのでインデックスファンドを積み立てていけばよい」と考えています。私もそう思っていますが、インデックスファンドを信用しきってよいものなのでしょうか。
今回は、インデックス投資が万能でない3つの理由と題して、インデックス投資のデメリットや問題点について考えていきたいと思います。きちんと問題点を知ったうえでインデックス投資を選択し継続していくことが何より大切であると思うからです。本記事を読むことでインデックス投資が万能でなく問題点があるということを考えるきっかけになれば幸いです。
インデックス投資とは何か
インデックスとは米国ならばNYダウ工業株30種やS&P500に代表される市場全体の動きのことを指します。投資信託やETFの中にはインデックスの動きに連動するものがあり、連動した金融商品に投資をすることをインデックス投資と呼んでいます。
一方、個別銘柄や売買のタイミングを自分自身で判断する投資をアクティブ投資と呼びます。
一般的には長期的に見たとき、アクティブ投資はインデックス投資以下の成績しかあげられないと言われています。
資本主義において世界経済は継続的に成長し続けてきました。個別銘柄には成長するもの衰退するものがありますが、資本主義が続く限り世界経済全体は今後もさらに発展、成長し続けると思います。その仮定の下、全世界の株式に連動したインデックスファンドを購入し続ければ、運用成績の期待値は大きくプラスになり、資産を継続的に形成することができそうです。
インデックス投資は「敗者のゲーム」である
投資本として有名なものに「敗者のゲーム」があります。
著者のチャールズ・エリスは、この書籍の中でテニスを例に挙げ、ゲームには「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」があると次のように述べています。
テニスのプロの試合では当然、一流の技術を持ったプロ同士の対戦になります。そのためラインのギリギリのところを狙ったり、力強いサービスで相手が追いつけないほどのスピードで打ち込んだりと、一流同士のハイレベルな技術のぶつかり合いになります。これが技術が優れている方が勝つ「勝者のゲーム」です。
一方で技術が未熟な素人のテニスの試合では、プレイヤーはプロと違いミスをすることも少なくありません。例えばサービスが相手のコートまで届かなかったり、ネットにすぐにボールをひっかけてしまったりとプロと違いミスを連発します。このような、素人同士の試合で簡単に勝つ方法はミスをしないことです。ミスをせずに無難にコートにボールを返し続ければ、相手のミスによる失点が積み重なり勝てるのです。これが「敗者のゲーム」です。
テニスの話を投資に置き換えて考えてみると、株式投資はミスをしなければ確実に勝てる「敗者のゲーム」であり、統計的にアクティブ投資は、猿にダーツを投げさせて当たった銘柄を適当に選んで組んだ運用と成績は大して変わらないことが分かっています。
したがって、アクティブ投資と比較するとミスをしない無難なインデックス投資の方がより勝ちやすいということになります。ですからわざわざ攻めた株式投資としてのアクティブ投資をしない方がよいのです。
ここまでの話では、「敗者のゲーム」である株式投資では攻めずに無難な投資方法をする方がいいので、アクティブ投資よりもインデックス投資の方が勝ちやすいと考えることができます。したがってインデックス投資は必ず利益の出る優れた投資のように感じてしまいがちです。しかし、インデックス投資も万能ではなく弱点についてもしっかりと理解しておく必要があると思います。
ここで、株式投資全般とインデックス投資のそれぞれの弱点についてまとめておきます。
株式投資の3つの弱点
ここではアクティブ投資、インデックス投資にかかわらず、株式投資全般に当てはまる弱点について述べていきます。具体的には次のようなものがあります。
① 世界経済は本当に成長し続けるのか
株式投資は世界経済が成長し続けることを前提としています。ですから、資本主義が崩壊した場合はその前提条件が崩れてしまいます。資源の枯渇、人口増加、経済の発展によって資本主義経済が限界を迎えてしまうと、世界の株価に投資をしても世界経済の成長により資産を育てることはできなくなります。
世界経済が崩壊するような事態になったときは投資どころではないため、どのような運用をしても利益をあげることは難しくなります。しかし、世界経済が必ず成長し続けると考えないなら、投資をしない方が良かったということになりかねません。
② 収入減と暴落が同時に発生するかもしれない
株式投資において主要株価指数は実体経済と深く結びついていることが多いです。経済が停滞し不景気になれば、会社自体が倒産したりボーナスがカットされるなどのリスクも高くなります。
このように企業の利益が経済全体に大きく関係してくるので、不景気になると個人の収入減につながることがあります。したがって、株式投資の運用資産が減りつつ、本業の給料も下がることが起きる可能性が高くなってしまいます。
③ 長期投資の場合、取り崩すときに株価が低迷している可能性がある
例えば、40歳で株式投資を始めたとして、60歳までの20年間で株式市場がずっと低迷期になって株価や株価指数は大きく下落し、上昇局面に転じたのが30年後だったとします。そうすると株式投資の元本割れが回復しプラスに転じる頃には70歳を過ぎたあたりで大分年を取ってしまい、資産活用どころではなくなってしまいます。
教育資金や老後資金が必要になったときに、タイミングよく株式投資の利益が十分にある保証はありません。
現金が必要な場面は、仕事や住まい、生活環境などによって大きく異なり人それぞれです。株式投資によって育てた資産を現金化したいときに、都合よく利益が出ているとは限りません。世界経済や株価指数は個人のライフスタイルに合わせた値動きをしてくれるはずもありません。
インデックス投資の3つの弱点
資産形成の最適解とされるインデックス投資にもいくつかの弱点があります。具体的な弱点には次のようなものがあります。
① 大きく利益を出すことはできない
インデックス投資では平均的なリターンを狙う投資法のため、個別株などと異なり短期間で大きなリターンを得るのは難しいですが、長期投資でコツコツと稼ぐことができるのがメリットです。インデックス投資をする以上、数年から数十年単位で長期保有、継続することが何よりも大切です。
それをしっかりと理解しておかないと、SNSやブログなどで大きく利益が出た人に影響されて、頻繁に投資商品を変えることになってしまいます。
インデックス投資を行う以上、「長期・積立・分散」が大切ですので、周囲の情報に惑わされずに(たとえ個別株や仮想通貨などで大きな利益を上げた人が周囲にいたとしても)淡々と長期投資を行う胆力が必要です。
② 保有中の手数料を支払う必要がある
投資信託では、複数の投資家から集めた資金を元手に、資産運用会社が投資を代行することになります。
運用には保有しているだけで手数料がかかってきます。そのため、将来的により多くの金額を手元に残すことができるよう、いかに手数料を低く抑えるかが重要になってきます。
投資信託を保有している間にずっと支払う手数料として「信託報酬(運用管理費用)」があります。長期投資をするうえでは、保有している期間がどうしても長くなる傾向にありますので、信託報酬ができるだけ安い商品を選ぶ必要があります。
③ 暇である
証券会社の口座を開設し積立設定をした後は、特にやることはありません。自分の決めたリスク割合にしたがって時々リバランスをする程度です。
あまりにも暇なため、人によっては毎日口座残高を確認したり、個別株などに手を出したりする場合もあります。
私は、インデックス投資についてやっていることを忘れていた方が結果的にはうまくいくと考えています。
投資が趣味であれば少額で個別株などいろいろやればいいと思うのですが、私は投資についてはインデックス投資のみで資産形成をしたいと考えていますので、余暇を家族と過ごしたり、ブログを書いたり、稼ぐ力を高めたりするのに使っています。
暇との付き合い方がインデックス投資がうまくいくためには大きなポイントになるのかもしれません。
インデックス投資は万能ではない
インデックス投資は、資本主義社会や世界経済の発展を考えると優れた投資法であることは確かです。むしろ中途半端に個別株に投資したり、無理なデイトレードを繰り返すよりは手堅いと思います。
しかしこれは資本主義が今後も続くことを前提としており、資本主義自体が危機を迎えたときは株式投資の根拠が根底から覆されることになります。(そんな状態になるとしたら、今ある企業組織もどうなるかわかりませんが)
さらに、インデックス投資の弱点をしっかりと理解したうえで長期的に取り組むことが資産形成にとっては何より重要です。弱点を考慮してインデックス投資をするのであれば「平均的なリターンで低コストのインデックスファンドを定期的に積み立てで購入して、その後は投資したことを忘れる」というのが一番効率がいいかと思います。
インデックス投資が万能でないことを知ったうえで、投資することへのリスクを考えることによって有事の際に想定されたこととして行動することができるのではないでしょうか。
まとめ
インデックス投資は万人に取り組みやすい投資方法となっています。しかし、世界の株価指数に連動したインデックスファンドを購入しておけば必ずうまくいくわけではありません。
株式投資全般における弱点を理解したうえで、さらにインデックス投資についても、大きく利益を出すことはできない、保有中の手数料を支払う必要がある、暇である、という弱点があります。
これらの弱点に目を向けながらインデックス投資とうまく付き合っていきましょう。投資ともいい距離感で付き合っていけると、長期的にしっかりと継続できるので自身の資産形成の一助になるようにしていけると思います。
少しずつ積み上げていきましょう。
つみき(@321tsumiki)でした。
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