どうも、つみき(@321tsumiki)です。
近年、NISAやiDeCoなど国の政策によって毎月金融商品を積み立てていく資産形成方法が注目されています。私は2018年まで資金を普通預金で保有していましたが、このまとまった資金を投資するにあたり、すべての資金を一括で投資に回すのか、毎月決まった額を少しずつ投資に回すのか、について非常に悩みました。
今回は、資産運用をする際に、一度にまとめて金融商品を購入する「一括投資」か、何度かに分割して金融商品を購入していく「ドルコスト平均法」のどちらがよいのかについて考えてみたいと思います。一括投資とドルコスト平均法の違いやメリット・デメリットについてまとめますので、どちらを選べばよいか悩んでいる方は参考にしてください。
一括投資か、ドルコスト平均法か
手元にまとまった余剰資金がある場合、資金を一度にまとめて投資する「一括投資」にするべきか、資金を何度かに分けて投資する「ドルコスト平均法」にするか、多くの人が悩むところだと思います。それぞれの投資方法の特徴を理解した上で、どちらにするか自分に合った方法を選択してください。
結論から言うと、一括投資の方が資金効率がいいと思います。
一括投資の特徴
一括投資とは運用資金を一度にまとめて投資することです。
一括投資には、まとまった資金が必要である、リスクが大きいという誤解がありますが、一括投資でも少額から行うことはできます。例えば、私が行っている毎月の投資信託の定額購入は一括投資になります。(毎月の余剰資金を一括で投資しているので)
① リターンや複利の力を最大限得ることができる
手元にある余剰資金を一括で投資することで、資産全体が長期間に渡り運用されることになります。そのため、金融商品の利回りの恩恵や複利の力を最大限に得ることができます。少しずつ金融商品を購入すると多くの資金を投資せず眠らせることになってしまうので、一度にまとめて投資する最大のメリットになります。
② 市場のタイミングを計る必要がない
一括で投資すれば後は保有し続けるのみになりますので、その後は市場の動きを見る必要がなくなります。資産形成においてタイミングを計る行為はやってはいけないことですし、タイミングを計ることはできません。
③ ドルコスト平均法の方がリターンが高いこともある
一括投資よりもドルコスト平均法の方がリターンが高くなることもあります。一括投資した直後に市場が暴落したり、長期にわたって下がり続ける場合、などが考えられます。しかし、過去の市場のデータからはドルコスト平均法の方がリターンが大きくなることはあまり多くはありません。
④ 一括投資した直後に暴落することがある
投資をした翌日に市場が暴落する可能性もあります。そのときのダメージはドルコスト平均法よりも一括投資の方が確実に大きいです。精神的に落ち込んで長期投資を継続できなくなったり売却したりする行動をとってしまいがちです。
ドルコスト平均法の特徴
ドルコスト平均法とは運用資金を使って定期的に一定金額で金融商品を購入し続ける手法のことです。余剰資金がある場合でも一定額に分割して定期的に投資していきます。
① ゆっくりとリスクを取っていく
ドルコスト平均法では、余剰資金を少しずつ市場に投資していくので目的のリスク割合になるまでに時間がかかります。
例えば、余剰資金100万円を「リスク資産50:無リスク資産50」の割合(リスク割合50%)になるようにドルコスト平均法で毎月10万円ずつ投資するとしましょう。その場合の1ヶ月ごとのリスク資産と無リスク資産の割合は以下のようになります。
リスク資産(万円) | 無リスク資産(万円) | リスク割合 | |
投資前 | 0 | 100 | 0% |
1ヶ月目 | 10 | 90 | 10% |
2ヶ月目 | 20 | 80 | 20% |
3ヶ月目 | 30 | 70 | 30% |
4ヶ月目 | 40 | 60 | 40% |
5ヶ月目 | 50 | 50 | 50% |
最終的にリスク割合50%を取りたいのにもかかわらず、4ヶ月目まではそれより低いリスクしか取れていません。目的のリスク割合になるまでに時間がかかるのがドルコスト平均法の特徴です。はじめは投資している金額が少ないため、リスク割合が低くなり、徐々に自分が取りたいリスクに近づいていくことになります。はじめにリスク割合をしっかりと決めておかないとドルコスト平均法の終盤でリスクが上がってきたときに想定以上のリスクを取ってしまっている可能性がありますので注意が必要です。
一方で、「投資する時間を分散する」ことによって得られる安心感は大きなメリットであると言えます。理論上は一括投資の方がいいと考えて一括投資したとして、その後に市場が暴落してしまったら精神的なダメージはかなり大きくなってしまいます。このときに何回かに分けて投資していたら一括投資ほどの含み損にはならないと思います。1回目の投資後に価格が下がったとしても「2回目は安く買える」と思うことができます。
② 市場のタイミングを計る必要がない
一定の期間で一定金額を購入していくドルコスト平均法では、一括投資と同様に市場のタイミングを計る必要はありません。
③ ドルコスト平均法の方がリターンが高いこともある
一括投資の特徴でも挙げましたが、一括投資よりもドルコスト平均法の方がリターンが高くなることもあります。
④ 機会損失がある
ドルコスト平均法の最大のデメリットは機会損失があることです。一括投資の最大のメリット「リターンや複利の力を最大限得ることができる」と逆で、ドルコスト平均法の場合、余剰資金のうち一定額ずつしか投資に回さないので「投資前に設定したリスク割合よりも低い期間」がしばらく続き、その期間に一括投資していれば得られたリターンが得られない可能性があります。
私が一括投資をおすすめする理由
余剰資金を投資に回すなら「一括投資」の方が効率が良いです。ただし資金が多すぎて投資後の暴落や値動きが気になってしまう場合は「ドルコスト平均法」でも良いのではないかと思います。
【理由】
・投資効率が最大化できる(投資しない期間の機会損失がない)
・一度に目的のリスク割合にできる
・長期的には右肩上がりの金融商品に投資している
・一括投資後の資産の値動きが気にならない
「毎月の積立投資」については一括ではないのではないかと言われることがあります。私は毎月の収入から投資に回す分の余剰資金を「一括」で積み立てています。
手元にまとまった資金がある場合は一括投資するのがおすすめです。ちなみに、一括投資とは「全額をリスク資産に投資する」ということではありません。あくまで自分で設定したリスク割合に基づいて一括でその割合にするということです。
一括投資をして資産が減るのが怖いというのであれば、ドルコスト平均法でもいいかと思います。いままで投資をしていなかったのにいきなり大きな金額を投資に回してしまうと、値動きが大きすぎて気になってしまいます。利益を得るよりも無事に相場に居続けることの方が長期投資では大切です。初めての人は値動きに慣れるという意味でもリスクを徐々に取る方法でもいいのではないでしょうか。
タイミングは見ない(購入後の下落を予想しない)
市場はある日突然暴落します。一括投資をした後すぐに暴落が起きるかもしれません。長期投資の観点から考えると、間違いなく今後も暴落はあり得ます。そう思うと一括投資するのを躊躇してしまう気持ちになるのも当然かと思います。
しかし暴落に備えるのであれば、一括投資かドルコスト平均法かではなく、アセットアロケーション(資産配分)で対処すべきです。投資をする前に自分が取れるリスク許容度を確認して適切なリスク割合にすることが何よりも重要です。
リスクの取り方については以下の記事が参考になります。
まとめ
一括投資とドルコスト平均法のどちらが適切なのかについて、それぞれの特徴からまとめてみました。結論は一括投資ですが、投資初心者や精神的に安心したい場合は何回かに分けて投資しても大きな問題はないと思います。
投資を始めること、それを長期にわたって継続し、市場から決して退場せず居続けることが何より大切ですから、それが実現できる方法を選択しましょう。
少しずつ積み上げていきましょう。
つみき(@321tsumiki)でした。
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